kintoneが生み出す一体感 - 変えよう。変わろう。-

株式会社日阪製作所

情報システム部 情報システム課 佐々江 宏明 氏

日阪製作所は有名ビルの空調設備に使われる熱交換器や食品の殺菌装置を手がける会社。kintone歴6年、451個のkintoneアプリを活用するベテランユーザーだ。2011年「Excelファイルの氾濫を整理すること」を目的にkintoneが導入され、2017年には世界7か国16拠点で460名に利用されるまでに成長した。そんな同社の発表は「kintone導入を成功させるポイント3つ」と「kintoneが生み出す一体感」について。

kintone導入のポイントは3点。1つめは 「はじめは小さく」。kintoneはスモールスタートができるツールだから小規模で始めるとよい。2つめは「現場が主役」。kintoneアプリはIT部門ではなく「現場」がつくると成果が大きくなる。3つ目は「満点を目指さないアプリ開発」。まずは78点の出来栄えを目指し、足りない点は改善するという意識がスピード開発につながるという。

発表ではこれを表すエピソードが紹介された。同社でkintoneに最初に携わったのは現場の女性2名だった。彼女らは「その日に感じたチームの課題」をkintoneで即日解決していた。そのスピードと改善数は導入を成功させる3つの方針あってのものだった。

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最初の「kintoneの業務改善効果」は他部署にも認められkintoneユーザーは少しづつ増えていく。良い潮流を一過性のものにしないために、現場・マネージャー・IT部門が協力して課題解決にあたる活動「kintoneプロジェクト」も始動した。

今では「海外営業チームの国境を超えた情報交換」「製造部門と倉庫会社とのやりとりの合理化」「サービス部門の顧客対応品質アップ」「システム部門の基幹システムとkintoneを連携した情報活用強化システム」などが実現している。

長年の利用で佐々江氏が気づいたことは、kintoneは人と人の距離感を縮め組織の内外で「一体感」を生むことだったという。「この力でもっと良いチームに、もっと良い組織に、もっと良い会社に変わっていきたい」と発表はしめくくられた。

kintone x AWS連携で実現した定額制有料動画配信サービス

株式会社毎日放送

経営戦略室メディア戦略部 副部長 濱口 伸 氏

毎日放送の濱口氏からは、2016年12月にリリースされた有料動画配信サービス『MBS動画イズム444』の運用システム構築のエピソードが登場。

濱口氏によると動画配信市場は極めて競争が激しく、コストミニマムに運用しながら新番組を次々と追加していくことが大切だという。そのためには、番組の管理・サービス画面の編集・ユーザー分析・試聴ログの分析などを行なう必要があるが、これらの仕事がシステムの専門家にしかできないと業務がまわらない。この問題をkintoneを「非エンジニアが使えるサービス運用のためのCMS(コンテンツマネジメントシステム)」としてカスタマイズすることで解決したという。

講演中に、kintoneで行っている番組を登録から公開する一連の過程のデモを行った。番組の新規追加は動画サーバーが番組に割り当てているIDを入力するだけでOK。番組のカテゴリは予め登録しているものの中からプルダウンで選ぶ。キービジュアルやキャストを登録し、誰の権利物なのかを指定する。最後にユーザーが閲覧するウェブページをプレビュー機能で確認すれば配信準備は完了だ。CMSでブログを投稿するような手軽さで動画配信サービスの運用が実現している。


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このような多くの要件を満たすシステムを「最初から完璧につくろうとする」と時間もコストもかかり過ぎるものだ。今回の開発に与えられた期間はわずか3ヶ月だったため、システム要件を話し合うのと並行でプロトタイプを作れるkintoneの柔軟さとデベロッパーの協力が功を奏した。期限内に高度なツールを完成させることができたのである。

「番組は生き物。既存システムにおさまらない新たな要件が次々と出てくるが、kintoneは苦労なくカスタマイズできる。だからうまく運用できている。」と濱口氏はしめくくった。

業務管理から顧客アンケートまで kintone活用で働き方が変わった

トリプルグッドグループ

経営企画部 長瀧谷 一輝 氏

士業系サービスを提供している同社が利用しているkintoneアプリは100以上ある。その中から働き方に大きな影響を与えた象徴的なエピソードが2つ紹介された。

1つめは「長期で多工程な業務管理をkintoneアプリで見える化」した事例。会計事務所の仕事は、年間通じてサービスを提供し、その工程数が多いのが特徴的だ。通年で行なう業務は「月次決算」「予定申告」「事前提案」「決算申告」と大きく4カテゴリあり、述べ46もの工程がある。これを同社は1,500社以上に提供しており、社員1人が担当する顧客数は50社である。kintone導入以前はこの複雑な会計業務を「属人かつ紙」で管理していた。そのために進捗が遅れがち、低い生産性、引き継ぎ困難などの悩みを抱えていた。

これをkintoneアプリ管理に変更した結果、まず業務の進捗が見える化された。担当者は「46工程✕50社分」のやるべきことを頭で管理しなくても良いので負荷が減少した。周囲は仲間の業務が見えるのでフォローできるようになった。分業も可能になった。

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特徴的なことに同社のkintoneアプリの各フィールドには「入力を担当する部署」が明記されている。これで「入力は部署A」「顧客フォローは担当者」という具合に1社の仕事を分業できるという。結果、担当者の作業は減り、経営支援などに時間を使えるようになった。時短勤務も可能になり、多様な働き方ができるようになったのだ。

2つめは、1500社に対する顧客アンケートについて。用紙配布方式だった同業務を、クラウドアンケートツールとkintoneアプリを用いて「結果の見える化」を実現した。用紙では回収率の低さや「クレームの芽」に対する対応が遅れがちだったが、この問題は大幅に改善された。同時に顧客からの評価を人事評価に反映できるようになり、CS・ES(顧客・従業員満足度)を同時に向上できた。

働きがいのある会社として6年連続表彰された会社の「働き方改革」をkintoneが担っていた。

kintoneでポジティブマネジメント

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株式会社クラボウインターナショナル

企画業務部システム管理課 福嶋 徹夫 氏

繊維専門商社のクラボウインターナショナルからは「バングラデシュ工場でのTシャツ製造管理」の事例が登場。バングラデシュは生産コストの安さから多くの企業が同国での生産を試みるも、管理の難しさゆえに撤退する会社が多いという。ここで製造を続けている同社にTシャツ240万枚という大量の注文が入った。

Tシャツはシンプルな衣類だが、その構成要素は生地・プリント柄・商品タグなど複数ある。製造においては各部位が仕様通りにできているか確認が必要だ。そのためのやり取りが常時50〜80品番分も並行して動く複雑なプロジェクトの幕開けだった。

これまで生産管理はメール・Excel・書類などで行っていたが、本案件は取扱数が多いため、メールを交わすもののメッセージが多すぎて現状把握できない状況にたびたび陥ったという。時には現状を把握するために24時間かけてバングラデシュまで出張し、最悪の場合は納期を守るためにコスト高の空輸を使い、利益が吹き飛ぶこともあった。


この解決のためにkintoneで作られたのが「日本とバングラデシュの両方で同じデータを参照できる生産管理システム(通称キオモス)」だ。バングラデシュの担当者が生地裁断・縫製・検品など「今」の状態を入力するだけで、日本側が「全品番の進捗」をExcel風の画面で確認できる優れものである。

こうして日本の管理者は生産状況をリアルタイムに把握できるようになり、問題が起こる前に対処できるようになった。貿易書類の検索もスピードアップ。後ろ向きな空輸も減り、船便のコンテナ積載率も向上した。今では「問題対処」のための出張はなくなり、ポジティブマネジメントが可能になったという。

この秀逸なツールはベンダーの力を借りて2週間で完成している。「kintoneの魅力は簡単にアプリが作れてすぐに使えること。短期間に使えるものを開発するには、明確なビジョンを持って臨むことと、ビジョンを具現化できるベンダーと組むことがコツ」と福嶋氏は語ってくれた。

kintone + AWS + ○○○

アイレット株式会社 クラウドパック事業部 前田 達哉 氏

kintoneとAWSの連携を得意としているアイレットからは、kintoneとAWSにクラウドサービス・AI・動画配信・IoTなどを組み合わせて新たなサービスを作るアイデアを発表。

多数のアイデアの中から前田氏が実演したのは、複合実現ゴーグル「HoloLens」だった。同装置はMicrosoftが開発したMR(Mixed Reality)システムで、空間上にホログラフィックを配置し、自分の視界にデジタルコンテンツを具現化できるというもの。

壇上でMRを装着した前田氏が「指先で空間をなぞる」と、スクリーンにはMRによって操作されるkintone画面が映しだされ会場はどよめいた。前田氏の視界にはkintone内のデータが格納されたUIがホログラフィックで表示されているのだという。UIからデータを更新すると、AWSを経由してkintone上のレコードが更新され、視界には「データ更新が完了した」と表示された。このデモは設備点検などでのHoloLens活用において、kintoneをデータ管理に利用するアイデアの一例であるという。

前田氏が「クラウドやハードウェアの組み合わせでkintoneの可能性は無限大に広がる」と発言すると会場からは拍手が送られた。


地図とkintoneを繋いだら何が見える?

あっとクリエーション株式会社 代表取締役 黒木 紀男 氏

「IT✕地図」のエキスパート黒木氏の発表は「カンタンマップ for kintone」。単なる道案内ツールではない。「仕事を変える地図ツール」である。

同ツールは「ITツールは進化したが、地図のビジネス利用はまだまだ進化できる」という想いから生まれた。実際、ITによる地図の活用は「スマホでの道案内」が多い。経営判断など高度に地図を活用しようと思うとまだまだ「壁の地図にピン留め」が主流だ。

黒木氏が考える「仕事を変える地図ツール」に必要な機能は2つあった。1つめは、地図の上にピンを立ててそこに文字や写真を関連付けて保存できること。2つめは詳細な地図の利用である。

これらの要件を揃えた「カンタンマップ for kintone」では「ある小学校の校区内の物件情報を表示させる」「現在地付近の顧客を表示し、そこまでの距離を画面をなぞるだけで計算する」などが可能だ。ユーザーは幅広く、市会議員による選挙ポスター設置場所管理などの用例もある。見込み客の開拓・不動産物件管理・空き家調査・公園管理など活用アイデアは無限大だ。

最後に黒木氏は「地図は世界共通言語。地図で自社の可能性を世界に広げてほしい」と発言した。


kintone への移行

日本電通株式会社 システム部 村井 宏行 氏

既存業務をkintoneで行なう場合、「SQL Server」「Oracle DB」といったデータベースにあるデータをkintoneに登録できれば便利だ。日本電通から紹介されたのは、そんなkintoneへのデータ移行手法だった。

簡単なデータ移行をする場合のおすすめは、ファイルの中身まで検索可能なkintone アプリストアにある「ファイル管理(File Sharing)」と、システム連携ツール「DataSpider Servista」である。使い方は簡単。まず「ファイル管理」アプリストアから追加。続いてファイルアイコンをドラッグ&ドロップして「DataSpider Servista」に移行手順を指示するだけだ。

一方で複雑なものもある。例えばIBM社のグループウェア「Notes」からkintoneへのデータ移行だ。「ワークフロー」が移行の対象になることも多く、この場合要件をヒアリングしプロセス管理を設計する。また移行データの項目が多く編集や結合が必要な場合200以上の移行手順を設計することもある。

「DataSpider Servistaでは定期的にデータをやりとりしたり、やりとり中にデータの加工や変換をすることも可能。アイデア次第でkintone活用の幅は広がる」と村井氏は発表をしめくくった。


元サイボウズ社員がお届けするキントーンをダメ出しする5分間

アールスリーインスティテュート 浅賀 功次 氏

元サイボウズ社員である浅賀氏の発表は「キントーンを使っていて微妙なところを正直に発表する」というユニークなものだった。「キントーンはまだまだ成長できるはず」という想いからだという。

浅賀氏が考えるkintoneの微妙なところは5つ。「コメント欄でフィールドが隠れてしまいデータを閲覧しにくい」「必須項目の表示が小さくてわかりにくい」「どのアプリのどのデータを見ていたのか分からなくなることがある」「全角数字を入力できない」「文字列(複数行)に文字数制限をかけることができない」である。

微妙なところを発表するだけで終わらないのが同社だ。「無いものは作る、それがエンジニアだ」として、kintoneの5つの微妙を解決する「gusuku孫の手プラグイン」を開発したことも同時に発表。「gusuku(グスク)」とは同社が提供しているkintoneアプリケーションの開発をサポートするプラットフォームサービスである。ここに「コメント欄を閉じる」「必須を赤字で巨大表示する」「タイトルの表示を固定する」「全角数字を自動で半角変換する」「複数行の文字列に文字数制限をかける機能」が加わったという。発表は「gusuku孫の手プラグイン」の無償配布のお知らせでしめくくられた。

懇親会風景

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kintone hive osaka vol.3 にご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

また大阪でお会いしましょう!